医療労務コンサルタント

 

昨年9月に、横浜で開催された医療労務コンサルタント研修会に参加し、この2月に東京でのフォローアップ研修会に参加しました。受講のみで「医療労務コンサルタント」を名乗れるというのは誠に「美味しい」資格ですが、それだけに、現実には顧客確保は難しくまたプロ意識をもって、多くの実践を積み、普段からの能力維持・向上努力が求められる資格です。

 

メーカーの長い人事勤労の経験を活かし、50歳時、今後のシルバー市場での貢献の可能性を探れとの美辞をもって医療法人に出向しました。介護保険制度の発足直前から老人保健施設の事務長を3年間勤め、その間に神奈川県内での新たな介護老人保健施設建設業務を初期から手掛けさせていただいきました。新施設レイアウト設計、建設現場での打ち合わせ、県市との開設認可申請、医療福祉事業団融資の申込みと受領手続き、地主さんたちとの話し合い、看護・介護職員の募集等、今考えても誠に有意義な期間でした。法人内でも、施設ごとのテーマを定めた介護活動成果発表会をスタートさせ、請求書発行に合わせ施設だよりを作成発行したり、就業規則、賃金規程等の制定・改訂等を行いました。同医療法人とは今もつながりを持たせていただいていることもあり、上記研修を受講した次第です。

 

外来・入院、病院・診療所(有床・無床)、急性期・亜急性期・回復期・慢性期・終末期医療等、医療現場といっても様々です。長時間の緊張を強いられる労働実態から、医療スタッフが長期休業や離・退職を余儀なくされる等大変ご苦労されておられる状況があることを研修会で改めて学びました。厚生労働省を中心に、労働科学の知見も参考に、医師会、看護師協会等々関連の団体が、「雇用の質」の確保が「医療の質」の確保・向上となり、更に「患者の満足度」からひいては「経営の安定」につながるとの認識をもって取り組まれていることも再認識しました。勤務改善マネジメントシステムを上手く築き上げることで、医療の質、医療安全の確保に、更に各医療機関の経営安定・発展につながります。そのキーワードは「ワークライフバランス」の確保にある、と取り組まれているようです。この考え方がどの程度普及し実践に移されているかは不明ですが、医療労務コンサルタントとしてご支援できればありがたいことと考えています。

 

なお、今般、当分野の仕事を進めるにあたり、大手企業管理職経験の社会保険労務士仲間と「日本医療労務コンサルティンググループ」を編成しました。県社労士会の専門部会である労務診断部会の会員仲間で、普段から情報交換をし合い、学習し合ってきています。幅広いネットワークを通じて業務を進めることで考えています。よろしくお願いいたします。

 

以上