「1日おき」とは

 言語学者の金田一秀穂さんが、ある雑誌に面白い話を書かれていました。

 

 「一日おきに友達に会う」という場合、18日にあったら、次に会うのは110日、その次は12日と捉えるでしょう。しかし、一日を24時間に置き換えて、「24時間おきに会う」というと、18日に会ったら、次は9日で、その次は10日となります。「一週間おきに友達と会う」という場合、18日に会ったら、次に会うのは翌週の15日なのか、再来週の22日なのか。これにはほぼ半々の結果となったとのことです。一週間を7日に置き換えて18日から7日置いた来週16日に会うとする人はほぼいない。

 「孟母三遷」は、寺のそばに住んでいた時、幼い孟子が葬式ごっこばかりするので、市場のそばに引っ越したところ、今度は金勘定ばかりした。そこで学校のそばに引っ越したというもの。実際に引っ越したのは二回なのに、なぜ「三遷」というのだろうか。

机を背にして立っているとき、「私は机の前にいる」といい、腹の前に机があるときも「私は机の前にいる」という。

金田一さんは、このような疑問をいくつか提示し、「若い人たちは、これから答えのない世界を生きていかなくてはなりません。・・・このような答えのない問題は、今後ますます出てくるでしょう。答えではなく、解決の方法を教えることが、私たちの義務だと思っています。」とまとめられていました。いかがですか。

 

 以上を書いて思い出しました。定年条項の「定年に到達した日の属する月末日(年度末日)をもって退職する。」とした規定を多く観ます。「定年到達日」と「定年到達日」を規定しています。では、自社の「定年到達日」がいつなのか、誕生日なのか、誕生日の前日なのか、担当が変わっても、明確になっているよう規定の見直しをアドバイスするようにしています。なお、行政は、法律により、誕生日の前日を年齢到達日としています。